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日頃よりご愛読賜り厚く御礼申しあげます。
新聞「自動車保険ジャーナル」は2010年1月より、週刊で発刊しておりました従来の冊子形式(B5版24頁)の新聞を、月2回(2,4週発行)で発刊する雑誌形式(B5版200頁程度)の判例雑誌「自保ジャーナル」に生まれ変わりました。

雑誌形式への改訂の主旨と致しまして、冊子では抜粋であった判決文の全文掲載を行うと共に、掲載事案数を増やして情報の充実化を図ります。
更に、サマリーに各事例に対する比較検討事例(同類又は対比事例等)や、損害賠償実務者の留意事項等を取り入れ、より一層分かりやすい裁判事例の掲載に努めてまいります。
今まで同様、交通事故民事訴訟に特化した掲載は変わりませんが、更に一般賠責や火災事故など、訴訟の情勢から、読者の皆様に関心が高いと思われる損害賠償事件についても幅広く掲載してまいります。

今後とも変わらぬご愛顧を賜りますよう、何卒宜しくお願い申しあげます。

 


 
各号内容紹介(ご覧になりたい号数をクリックすると開きます)
   
2167号(令和6年10月10日発行)
  1. 40歳代女子主張の頸髄損傷は画像所見があるとは認められず時間の経過による悪化傾向もうかがえ受傷後の経過としては不自然で頸髄損傷由来の排尿障害にも疑問がある等から本件事故による頸髄損傷の傷害を否認した
  2. 自賠責7級12号顔面醜状、同9級10号右足関節背屈不能等、同12級8号偽関節による左上肢変形障害から併合6級後遺障害を残し増収傾向にある30歳男子会社員の後遺障害逸失利益を9級と12級の併合8級の8割である36%の労働能力喪失率で認定した
  3. 9級16号顔面醜状、12級13号右下唇知覚鈍麻等、13級5号歯牙障害から併合8級後遺障害を残す16歳男子高校生の後遺障害逸失利益をセンサス男性全年齢平均を基礎収入に67歳まで48年間27%労働能力喪失により認定した
  4. 事故後減収のない52歳男子会社員主張の10級10号右肩関節機能障害及び10級11号左足関節機能障害は可動域角度が健側の4分の3以下の制限から自賠責同様併合11級後遺障害を認め労働能力喪失14%で後遺障害逸失利益を認定した
  5. 自賠責14級9号左肩峰から上腕にかけての感覚鈍麻等を残す事故後増収している男子会社員の後遺障害逸失利益を労働能力を5%喪失したとか、その状態が5年間続くとまでの評価は過剰と3年間3%の労働能力喪失で認定した
  6. 37歳女子飲食店店長主張の12級13号腰椎運動機能障害、同左肩関節可動域制限は外傷性所見が認められないと本件事故による後遺障害の残存を否認し、減収も認められないと休業損害の発生も否認した
  7. Yタクシー乗車中にWタクシーに側面衝突されY車の急ブレーキにより首周辺を前方の座席に打ち付けた40歳女子主張の10級脊柱運動障害及び12級左肩関節機能障害は身体に後遺障害が残存する衝撃等であったとは認め難いと否認した
  8. 男子原告主張のインプラント治療は本件事故以前から歯科治療を受けていたが約2年2ヶ月にわたり治療を受けておらず口腔内の状態が悪化していた可能性もある等として本件事故との因果関係を否認した
  9. 51歳男子整骨院経営の原告の整骨院への通院は医師が許可できない旨説明していて整骨院での治療が医学的に必要性を欠くことを認識していた等から本件事故による整骨院治療費を否認した
  10. 16歳男子Xが17歳男子Y運転の自動二輪車に同乗して赤信号交差点を走行中にW乗用車に衝突され受傷した事故でのYの母親の運行供用者責任及び不法行為責任を否認し、Xの好意同乗減額を否認した
  11. 片側1車線道路の信号のない交差点での制限速度15`b超過の原告自動二輪車と左方の一時停止路から時速約10`bで進入してきた被告乗用車の出合い頭衝突で原告車に35%の過失を認定した
  12. 自宅駐車場からXベンツが盗難されたとする男子Xの車両保険金請求は盗難の核心部分についての供述に不合理な変遷が見られる等からも本件盗難の外形的事実を認めることはできないとして請求を棄却した
  13. 深夜2時頃の原告建物の火災による共済金請求は建物内に広範に灯油が撒かれていたことから人為的な放火と認め本件建物に第三者が侵入した形跡はない等からも第1発見者の原告による故意放火を認定し請求を棄却した
2166号(令和6年9月26日発行)
  1. 脳脊髄液漏出症に罹患し現在も症状固定に至っていないと主張する36歳女子はMRI検査の結果も医原性の可能性が高く、ブラッドパッチによる症状の改善は認められないと否認し事故後約6ヶ月で症状固定と認定した
  2. 自賠責12級6号左肩関節機能障害の他に10級10号右肩関節機能障害を残したとする82歳男子の腱板断裂は本件事故によって拡大悪化し可動域制限等の症状を生じさせたと認め併合9級後遺障害を認定し3割の素因減額を適用した
  3. 自賠責12級13号頸部痛等を残す49歳男子飲食店開店準備中の後遺障害逸失利益をセンサス男性同学歴同年齢平均の5割を基礎収入に10年間14%の労働能力喪失で認定し、うつ病発症は本人の気質的要因から25%の素因減額を適用した
  4. 渋滞停車中に被告乗用車に追突され自賠責併合14級頸部痛等及び腰痛を残す50歳男子原告の14級9号頸部痛等を認め、14級9号腰痛の残存を否認し、複数回の事故による受傷等の影響から25%の既往症減額を適用した
  5. 貨物車で信号待ち停止中に左後方から発進してきた被告乗用車に衝突された男子原告には原告車の損傷の程度は軽微ではあるが衝突により人体等にも振動による力が作用したと本件事故による外傷性頸部症候群の受傷を認めた
  6. 乗用車で仮眠中にクリープ現象で後退してきた被告乗車に接触された30歳男子原告の頸椎捻挫の受傷を認め、14級9号頸部痛主張の後遺障害の残存は否認し、事故後約3ヶ月で症状固定と認定した
  7. 50歳代女子主張の13級頭部外傷及び視力調整力低下等は客観的で的確な証拠が提出されない等から後遺障害の残存を否認し治療期間を事故後約2ヶ月と認定した
  8. 歩行中に自転車に衝突された40歳代男子主張の7級4号中心性頸髄損傷等はC医師の診察経過や各種検査結果等ないしC意見の信憑性に疑問がある等から本件事故に起因する頸髄損傷を否認し後遺障害の残存も否認した
  9. 信号交差点を自転車で横断中に対向左折乗用車に衝突され自賠責併合14級頸部痛及び腰部痛等を残す40歳代男子原告への衝突は低速の軽微接触で原告自身にはぶつかっていない等から本件事故による傷害の他、後遺障害の残存も否認した
  10. 31歳男子主張の12級13号右肩関節痛は右肩に腱板断裂を生じる衝撃が加わったとは認め難く画像所見も認められない等から右肩腱板断裂を否認して本件事故による後遺障害の残存も否認した
  11. 停車中に被告乗用車に追突された46歳女子原告主張の左肩関節拘縮による12級13号左肩痛等は衝撃は軽微なものでギプスによる固定が窺われない等から本件事故と左肩関節拘縮との因果関係を否認し後遺障害の残存も否認した
  12. 乗用車を運転中にX所有の車庫に衝突して車庫や車庫内の自動車を損壊させた男子被告は脳梗塞を発症し本件事故当時は責任能力を欠く状態であったと認め、被告の過失を否認して請求を棄却した
  13. 時速50`b制限の優先道路を時速40`b超過で走行してきたY乗用車に出合頭衝突されたA貨物車は一瞬だけ一時停止したのみで適切に一時停止したとはいえないと6割の過失を認定した
  14. 赤信号交差点で停止車両を右側から追越し中に停止車両間を通って横断してきたY自転車との衝突を避けて非接触転倒したX自動二輪車は自転車の横断を予見できたのに漫然と進行し安全確認を怠ったと65%の過失を認定した
  15. 信号のない丁字路交差点を進行中に左方の突き当り路から左折進入してきた被告乗用車との衝突を避けて非接触転倒した原告原付自転車は前方左側の安全確認が不十分であったと1割の過失を認定した
2165号(令和6年9月12日発行)
  1. 41歳女子の自賠責9級10号高次脳機能障害は4能力のうち半分程度喪失したものが1つ、相当程度喪失したものが2つで労災7級に相当し自賠責の後遺障害等級としても7級4号に該当すると7級高次脳機能障害を認定した
  2. 55歳女子主張の器質性妄想性障害はびまん性軸索損傷等認められず器質性の外傷を負ったとは認められないと発症を否認し、解離性障害については本件事故と無関係の事情で発症した可能性も高い等から発症を否認した
  3. 男子X主張の頸髄損傷は画像所見なく一般的な症状経過等とは大きく異なっている等から否認し自賠責同様14級9号右上肢痺れ等を認め治療期間を事故後約2ヶ月間と認定した
  4. 被告車との衝突を避けようと急ブレーキをかけたことで12級13号左手TFCC損傷等を残したとする20歳代女子にかかった負荷は相当小さく、手首をひねった記憶はない他、受傷機序にも疑問がある等から本件事故による受傷を否認した
  5. 左前額部挫創による15歳女子主張の左眉付近の12級14号外貌醜状は左眉の上に出ている瘢痕が3abに満たない他、将来においては眉を調整して傷跡を目立たなくすることも不可能ではないと後遺障害の残存を否認した
  6. 介護タクシーに乗車中に制動操作により転倒した47歳男子2級身体障害者主張の5級右肘・手指痺れ等は本件事故前の症状と異ならない等から後遺障害を否認し、シートベルトの不装着が損害の発生及び拡大に寄与したと5%の過失を認定した
  7. 右腓骨遠位端骨折から自賠責14級9号右足関節痛認定も12級7号右足関節機能障害を残したとする23歳男子の労災協力医による可動域測定の結果が不合理とはいえないと労災同様12級7号右足関節機能障害を認定した
  8. 50歳代女子主張の12級13号腰部痛等は症状の訴えが事故から11日後で腰椎椎間板ヘルニアが認められたMRIは事故から1年7ヶ月後の他、症状固定日直前のSLRテストが正常値等から本件事故による後遺障害の残存を否認した
  9. 20歳代男子主張の14級9号頸部から腰背部の張り等は頸椎症状には後弯が医学的に異常であることを認める医証等はなく、腰部症状については椎間板ヘルニアのガイドラインに反している等から本件事故による後遺障害の残存を否認した
  10. 信号のない丁字路交差点を直進中の原告自動二輪車が左方の突き当たり路から右折進入してきた被告乗用車との衝突を避けようと転倒した本件事故は原告の急ブレーキ又は不適切なハンドル操作等が原因として9割の過失を認定した
  11. 車検有効期限が6日後に到来する初度登録から15年経過したV同乗のX乗用車が停止中に約1時間前に1日自動車保険に加入した廃車予定の友人Y乗用車に追突された本件事故はX、V及びYが共謀し故意に発生させたと認定した
  12. 68歳男子Aが被保険乗用車を運転中に側溝に脱輪させ頭部外傷により死亡したとする人身傷害保険金請求は脱輪による衝撃は大きくなく本件事故による頭部外傷を否認し「契約車両の運行に起因する事故」とは認められないと請求を棄却した
2164号(令和6年8月22日発行)
  1. 20歳女子の自賠責7級4号高次脳機能障害は労災保険における4要件に照らし7級又は9級に該当するとも認められず、高次脳機能評価における作業速度や論理的記憶についてやや低い点にとどまる等から12級13号と認定した
  2. 66歳男子会社員の自賠責8級脊柱変形障害及び同12級5号左鎖骨変形障害等の併合7級後遺障害は脊柱変形による労働能力喪失を20%と評価した上で鎖骨変形による労働能力喪失を加味し全体として27%の労働能力喪失を認定した
  3. 28歳男子Xの自賠責併合14級頸部痛及び腰部痛等を否認し後遺障害等級14級には至らないものの頸部痛及び腰部痛の神経症状が残存したとして3年間3%の労働能力喪失により後遺障害逸失利益を認定した
  4. 42歳男子無職の後遺障害を自賠責同様併合14級頸部痛等と認め事故前年及び3年前年収額平均を基礎収入に5年間5%の労働能力喪失で後遺障害逸失利益を認定し、本件事故時に就労可能な身体とは認められないと休業損害を否認した
  5. 自賠責12級13号右第1趾痛を残す男子Xの右内側母趾種子骨は大きく2つに離開しているが新鮮骨折の所見ではないと本件事故による傷害を否認し荷重時痛等の症状が将来にわたって残存する後遺障害とは認められないと否認した
  6. 自賠責併合14級頸部痛等を残す38歳男子原告会社代表取締役の休業による原告会社主張の外注費用の損害は認められないと否認し、原告の役員給与の8割を基礎収入に3ヶ月間につき3割の休業割合で原告会社の反射損害を認定した
  7. 友人と共に歩道上を駆けていた7歳男子原告が14歳男子被告運転の自転車との衝突を避けようと非接触転倒して受傷は友人に気を取られ周囲に十分注意を及ぼしていなかった等から原告に6割の過失を認定した
  8. 信号交差点の歩道上で8歳児Y自転車に衝突された原告自転車は自転車通行禁止の歩道を通行し徐行することなく見通しの悪い交差点に進入しようとした徐行義務違反や前方不注視があるとして95%の過失を認定した
  9. 片側2車線道路の第2車線を走行中に第1車線左端から転回してきた被告タクシーに衝突された原告乗用車に本件事故を回避するのは困難であり被告車には合図をしないまま転回を始めた著しい過失があると被告車の一方的過失を認定した
  10. 自転車搭乗中に被告貨物車に接触され受傷したとする男子原告は本件事故以外に13件もの交通事故に遭ったとして保険金請求をしている等から損害賠償目的で本件事故を作出したと原告の故意を推認して被告の過失を否認した
  11. 44歳女子Xが軽四輪乗用車の運転席ドアを開けて降車しようとした際に地面の段差で右足を捻って負傷したとする人身傷害保険金請求はドアの操作とはかかわりのない原因によって発生したと運行起因性を否認し請求を棄却した
  12. 居眠り運転で電柱に被保険車両を衝突させたとする男子Xの車両保険金請求は事故後に飲酒したというXの弁解は飲酒運転者がその事実を隠蔽するために行う典型的な弁解等からXの飲酒運転を認定し保険金請求を棄却した
  13. ペダル付き原付自転車のモペットで走行中の原告が歩行者Vに衝突し傷害を負わせたことによる個人賠償責任保険契約に基づく保険金請求は本件モペットは「原動力がもっぱら人力である車両に該当しない」として請求を棄却した
  14. Y医師の診察を受けた際に左上腕部に暴行を加えられ全治2週間の左肩関節捻挫等の傷害を負ったとする男子Xの供述は客観的証拠による裏付けに乏しい等からYの暴行を否認してXの請求を棄却した
2163号(令和6年8月8日発行)
  1. 自賠責1級1号四肢麻痺等を残す63歳男子の将来介護費を妻67歳まで日額6,000円で認め、以降平均余命まで日額1万6,000円で認定した
  2. 常時介護を要する1級1号下半身麻痺等を残し職業付添人と近親者介護を並行して利用している69歳男子の将来介護費を日額1万8,000円で平均余命まで認めた
  3. 44歳男子主張の本件訴訟提起時も治療中の脳脊髄液漏出症はCTミエログラフィーによる髄液漏出認められず9回のブラッドパッチも効果なく起立性頭痛も認められない等から本件事故による脳脊髄液漏出症の発症を否認した
  4. 自賠責8級脊柱変形障害を残し減収のない45歳男子医師の労働能力喪失率を20%と認め、全ての諸手当を含んだ事故前年年収を基礎収入に67歳までの21年間につき後遺障害逸失利益を認定した
  5. 自賠責12級14号左前額部瘢痕、同13級5号歯科補綴、同14級9号頸部痛等の併合11級後遺障害を残す37歳男子会社代表取締役の逸失利益を外貌醜状及び歯科補綴による減収は認められないと否認し、頸部痛等については5年間5%の労働能力を喪失したと認定した
  6. 乗用車で右折待機中に追突された第1事故の約2ヶ月後に信号待ち停車中に追突された第2事故で自賠責14級9号頸部痛を残す男子原告の体に生じた力は極めて軽微で加療の必要性は疑問が残る等から本件事故による受傷を否認した
  7. 停車中にタクシーに追突され14級腰痛及び右下肢痛等を残したとする男子は事故後相応の頻度で登山を行っている上、朝練と称して4時間以上山行した等からも本件事故による後遺障害の残存を否認した
  8. 42歳男子主張の14級9号頸部痛及び腰部痛は自賠責保険における後遺障害には該当しないとの判断に特段不合理な点はないと自賠責同様後遺障害の残存を否認した
  9. 乗用車で信号待ち停車中に車線変更した後続乗用車の左ドアミラーに右後部テールランプ付近を接触され頸部挫傷、腰部挫傷等の傷害を負ったとする47歳男子の本件事故による受傷を否認し初回分の通院のみ因果関係を認めた
  10. 被告ホテルの進入路を走行してY警備員のいる出入口ゲートに衝突した原告乗用車にはゲートを見落としていた前方不注視の他、Y警備員の指示に従わない不適切な停止操作等の過失があったと65%の過失を認定した
  11. 対向の被告普通貨物車に衝突された原告大型貨物車のエンジン損傷を認めて車両損害を経済的全損の1,046万5,066円と認め、休車損害は遊休車の保有を否認し休車期間123日間につき日額3万7,776円で464万6,448円を認定した
  12. Z所有自動車をYが運転中の事故による保険金請求は乙共済に提出された他車運転危険証明書にはZがYに対し1年弱の長期にわたって本件自動車を貸与していた記載がある等から他車運転危険補償条項の「他の自動車」には該当しないと請求を棄却した
  13. 自転車搭乗中に乗用車に衝突され約30年後に両足可動域制限等の後遺障害が生じたとする男子中学生の損害賠償請求権の除斥期間の起算点を本件事故の発生日と認定し同請求権は20年の経過をもって消滅したと請求を棄却した
2162号(令和6年7月25日発行)
  1. 女子原告主張の併合4級CRPSは自賠責保険及び労災保険上の認定基準を満たさず、典型的な症状経過とも整合しない上、本件事故以外の原因により生じた可能性があるとして本件事故に起因するCRPSの発症を否認した
  2. 自賠責8級2号脊柱運動障害等を残し復職後も減収のない51歳女子派遣社員は将来的に実収入面においても後遺障害の影響が顕在化する可能性がある等から40%の労働能力喪失で後遺障害逸失利益を認定した
  3. 50歳代男子の自賠責10級11号左足関節機能障害を左足関節の可動域制限等から12級7号と認め、同12級12号左母趾機能障害を別件事故による影響等から14級9号神経症状として併合12級後遺障害を認定した
  4. 26歳男子無職主張の5級2号脊髄損傷等は交通外傷による一般的な症状経過と整合しない等から否認し14級9号頸部痛を認めセンサス男性同学歴同年齢の5割を基礎収入に5年間5%の労働能力喪失で後遺障害逸失利益を認定した
  5. 自転車同士の衝突による主婦X主張の10級10号左肩関節機能障害及び12級13号左肩痛はMRI検査等では左肩部分に外傷性変化と診断できる異常は見当たらなかった等から本件事故による後遺障害の残存を否認した
  6. 約3年2ヶ月間通院し14級9号右上肢及び後頸部しびれ等を主張する31歳男子の通院期間を約10ヶ月間と認定し、症状固定までの諸検査に異常はなく自覚症状には客観的な裏付けがない等から本件事故による後遺障害の残存を否認した
  7. 自転車で走行中に貨物車に衝突されて転倒した27歳女子主張の14級9号腰椎椎間板ヘルニアは腰部への衝撃がヘルニアを発症する程度であったか疑問が残り外傷所見がない等から本件事故との因果関係は認められないと後遺障害の残存を否認した
  8. 乗用車運転中に追突された女子原告主張の頸椎椎間板ヘルニア及び腰椎椎間板ヘルニアは本件事故によるものとは認められないと後遺障害の残存を否認し、頸椎捻挫及び腰椎捻挫の治療期間を事故後約7ヶ月間と認定した
  9. Y乗用車が高速道路走行中にスリップして第3車線に横向き停車し(第1事故)その約6分後に同乗していた18歳男子AがY車の後方で佇立中にZ貨物車に衝突され(第2事故)死亡はYとZの共同不法行為責任を認めAに6割の過失を認定した
  10. 信号のない交差点の優先道路から減速なしに進入した原告乗用車と一時停止路から徐行することなく進入した被告乗用車の衝突は交差点手前で減速すれば本件事故を回避できた可能性が否定できないと原告車に1割の過失を認定した
  11. 青信号交差点を横断中に対向の右折被告乗用車に衝突された原告自転車は衝突直前にあえて原告車を加速させたことが衝突の誘因を構成したと1割の過失を認定した
  12. 十字路交差点の優先道路を歩行横断中に左方から右折進入してきた被告乗用車に衝突された原告には直前横断としての過失を1割加算し、被告には著しい前方不注視の過失があると1割加算して原告の過失を1割と認定した
  13. 自賠責9級10号高次脳機能障害を残す25歳女子の人身傷害保険金請求権は乙損保の債務承認及び信義則違反等認められず2年の経過をもって時効により消滅したと請求を棄却した
  14. 甲損保はY接骨院で施術を受けたとするZの請求に一部でも不正なものが含まれていればその請求に係る施術費全体の支払を拒絶していたことから支払った施術費の全額が甲損保の損害になると認めY接骨院の不法行為を認定した
2161号(令和6年7月11日発行)
  1. 30歳代男子主張の本件事故による中心性脊髄損傷を認め、行動確認調査の内容等から神経症状等も日常生活に支障のない程度に軽快していたと中心性脊髄損傷による後遺障害の残存を否認し事故後6ヶ月で症状固定と認定した
  2. 左耳後部及び左眉下部等の瘢痕から自賠責12級14号外貌醜状を残す8歳男子の後遺障害逸失利益を瘢痕が多いからといって不利益が増すとも認め難いと一般的な後遺障害等級12級の14%の労働能力喪失率で認定した
  3. 12級6号左肩関節機能障害等併合11級後遺障害を残し事故後増収している33歳男子会社員は将来において後遺障害が収入減という形で顕在化する可能性はある等から67歳まで15%の労働能力喪失により後遺障害逸失利益を認定した
  4. 自動二輪車で直進中に右折進入自動二輪車に衝突され左橈骨遠位端骨折、左母指基節骨骨折等の傷害を負った50歳代男子主張の併合9級左手関節機能障害等の残存を否認し、事故後約1年で症状固定と認定した
  5. 自転車搭乗中にY乗用車に接触され自賠責14級9号左手シビレ感を残す40歳代女子Xは接触の衝撃は大きくなく、事故前にも左手のしびれを訴えていた他、事故2ヶ月前まで腰痛症の治療等から本件事故による後遺障害の残存を否認した
  6. Yタクシーの後部座席から降車しようとした際にドアを閉められ右肩付近に衝突したとする女子X主張の12級6号右肩関節機能障害は右肩先に接触したとしてもXが右棘下筋損傷等の傷害を負ったとは認められないと否認した
  7. 片側1車線道路を歩行横断中に携帯電話の画面に脇見して前方不注視の被告乗用車に衝突された79歳女子Aは横断歩道によらず車両の直前で横断したと25%の過失を認定した
  8. 高速道路上での直前合図の車線変更W貨物車と後続X乗用車の衝突でX車の時速40`b速度超過の過失を加算してX車に3割の過失を認定した
  9. 過去4年間で6件の交通事故歴のある50歳代男子Xが貨物車で走行中に急ブレーキをかけY乗用車に追突され、約1ヶ月後に同様にZ大型貨物車に追突されて受傷した2件の本件事故はXの故意によるものと認定した
  10. 原告会社代表取締役の47歳男子Xの受傷による企業損害の請求はX以外の相当数の人員が稼働して原告会社の事業運営を支えていた等から原告会社とXが経済的に一体であるというのは困難として原告会社の企業損害を否認した
  11. 被告乗用車に右側面を衝突され修理費用約713万円の初度登録から約半年経過した原告フェラーリの評価損を修理費用の3割程度の210万円と認定した
  12. 多数の保険金請求歴を有する原告ベンツの左ドアミラー等がコンクリート塀に接触して損傷したとする保険金請求はコンクリート塀と左ドアミラーの高さとの間に8.5abの差があり接触することはあり得ない等から本件事故の発生を否認し請求を棄却した
  13. 3歳男児原告が被告保育園内の階段から加害園児に押されて転落した事故での保育士らの監視監督義務違反を認め、原告主張のくも膜嚢胞内出血は本件事故以前に発生していたと本件事故による発症を否認した
  14. 60歳女子Aが海外旅行行程中のスキューバダイビング後に急性心筋梗塞により死亡したとする傷害保険金等の請求は外部からの作用と急性心筋梗塞の発症との因果関係は認められないと急激かつ偶然の外来の事故を否認して請求を棄却した
2160号(令和6年6月27日発行)
  1. 異議申し立て後に自賠責5級2号認定を受ける74歳女子の高次脳機能障害は加齢による認知機能の障害が高次脳機能障害とともに進行したことを否定し難く認知機能の悪化と本件事故との因果関係は認められないと7級4号認定した
  2. 信号待ち停車中に乗用車に追突された20歳男子主張の9級10号非器質性精神障害は事故の約2年2ヶ月後にPTSD症状等を訴えた他、事故当初から精神症状が継続していた客観的証明が困難等から本件事故による遷延うつ病の発症を否認した
  3. 頸椎椎間板ヘルニアを有する56歳男子主張の8級2号脊柱運動障害及び12級13号頸部痛等はボウリングを1度に8ゲームも行っても問題がない等から本件事故による後遺障害の残存を否認し5割の素因減額を適用した
  4. 自転車で走行中に普通乗用車に追突された38歳女子主張の11級突発性難聴等は外傷性異常所見認められず、14級不正咬合等は本件事故から6年半ないし10年以上経過して治療等から本件事故と後遺障害との因果関係を否認した
  5. 歩道から車道側に出て佇立中に右後方から走行してきたY乗用車に接触され右下腿打撲等から自賠責14級9号後遺障害を残す男子Xは実際に衝突があったとすればXの側からY車両に接触してきたとし本件事故の発生を否認した
  6. 乗用車で走行中に中央線を越えて進入してきたY乗用車にドアミラー同士等を接触された女子X主張の頸椎捻挫及び腰部打撲傷は身体が強く揺さぶられる衝撃の事故ではなく症状の経過も不自然等から本件事故による受傷を否認した
  7. 店舗駐車場の駐車区画内で佇立中に後退してきたY乗用車に接触されて受傷したとするXはY車両と接触することを意図してあえて本件駐車区画に進入し回避措置を取らなかったとXの故意招致事故を認定した
  8. 高速道路の第1車線を走行中のX冷凍冷蔵車が先行の時速50`bで走行するZ大型貨物車に追突した第1事故はXの一方的過失と認め、X車の積荷損害は第1事故により発生したがZは無過失から本件事故による積荷損害を否認した
  9. 店舗駐車場内の通路上を進行中の原告乗用車に衝突した駐車区画から後退してきた被告乗用車は原告車が急ブレーキ等の措置をとっても停止できない距離に近づいた段階で通路への後退進入を開始したと認め原告車の過失を否認した
  10. 信号交差点を直進中に対向の直進車線からスマホアプリのナビ音声案内を受け右折してきた被告乗用車に衝突された原告自動二輪車には過失と評価される注意義務違反は認められないと原告車の過失を否認した
  11. 信号のない交差点横断歩道を横断中の原告自転車と左方路から進入してきた被告自転車の出合い頭衝突は双方ともに不注視の程度が大きいと原告自転車の過失を45%と認定した
  12. 高血圧等の基礎疾病を有する83歳男子Aが左大腿骨頸部骨折の傷害を負い翌日に小脳出血により死亡したことによる傷害保険金請求は本件傷害がAの血圧上昇及び小脳出血発症等の原因になったとは認められないと因果関係を否認して請求を棄却した
  13. コインパーキングの駐車枠に原告乗用車を駐車しようとした際に同枠内のフラップ板が上昇し原告車の底面と接触して損傷は駐車場設備の所有ないし占有者の被告会社に民法717条1項に基づく損害賠償責任を認めた
  14. 日常的に居住する家族がいなくなり建物内は無人で全体に施錠されているX建物の火災による保険金請求はXには経済的に十分な利益を得られる動機があり第三者の放火はあり得ない等からXの子らの放火と認定して請求を棄却した
2159号(令和6年6月13日発行)
  1. 脳外傷等から自賠責1級1号高次脳機能障害及び身体性機能障害等を残す54歳主婦の将来入院費等を日額1万8,000円で平均余命まで認め、既往症が治療等の長期化に影響を与えたと3割の素因減額を適用した
  2. 自賠責併合14級認定の頭頸部痛及び左下肢しびれ等を残す36歳男子主張の9級高次脳機能障害及び10級左足関節機能障害等の残存を否認し10級左肩関節機能障害等の併合9級後遺障害を認定した
  3. 減収のない54歳男子公務員主張の6級5号脊柱変形を11級7号等の併合10級後遺障害と認め定年までの4年間は実収入を基礎収入に20%、以降の9年間はセンサス学歴計年齢別平均を基礎収入に27%の労働能力喪失で後遺障害逸失利益を認定した
  4. 40歳代女子の自賠責12級6号左肩関節機能障害は後遺障害診断書作成時の可動域測定値は一時的に制限された数値が測定されたもので同数値を基礎として関節機能障害の有無を認定するのは相当でないと否認し14級9号左肩関節痛を認定した
  5. 20歳代男子アルバイト主張の12級右肩痛及び右肩可動域制限を否認し右肩に拘縮痛が残存したと自賠責同様12級5号鎖骨変形障害を認めセンサス男性同学歴同年齢を基礎収入に5年間14%の労働能力喪失で後遺障害逸失利益を認定した
  6. 横断歩道上をキックボードに乗って歩行中の9歳女子XのY乗用車が左折進入してきた際に咄嗟にハンドルから離した右手の甲が接触され負傷したとする供述は信用することができるとして本件事故によるXの受傷を認定した
  7. 第1車線を乗用車で走行中に車線変更してきた被告乗用車に接触された原告夫婦の身体に加わった衝撃は極めて小さく、ドライブレコーダーの映像等の他、画像検査において外傷性所見は認められない等から本件事故による受傷を否認した
  8. 40歳代男子が自損事故により12級13号頸部、腰部及び左肩痛等を残したとする人身傷害保険金請求は本件事故の前から有していた症状で事故との因果関係は認められないとして本件事故による後遺障害の残存を否認した
  9. 原付自転車で走行中に被告タクシーに衝突され外傷性くも膜下出血等から自賠責1級1号遷延性意識障害を残し約3年1ヶ月後に敗血症により死亡した63歳男子Aの死亡と本件事故との因果関係を認定した
  10. 追越禁止場所の交差点手前で右後方の安全を確認せず右折してきた先行被告自動二輪車に衝突された原告自動二輪車は被告車の右側を追い越して直進しようとしたと8割の過失を認定した
  11. 第1車線を走行中に第2車線から合図なく車線変更してきた被告タクシーに衝突された原告自動二輪車に進路変更を予見して運転すべき義務が生じるとは認められないと原告車の過失を否認した
  12. 夜間、制限速度時速40`bの信号のない変則交差点を歩行横断中の81歳男子Aに時速約62`bで走行してきて衝突した被告乗用車は基本的な注意義務を怠った著しい過失があるとしてAの過失を5%と認定した
  13. Zからユーザー車検代行を依頼されたYがZ車両を運転中の事故はZはユーザー車検代行のために必要な行為をYの判断の下に行うことを前提としてZ車両を預けたものでZはZ車両の運行を支配・制御できる立場にはなかったと運行供用者責任を否認した
  14. 原告らの自宅に訪問し点検と称して屋根に上がり台風被害があると装って故意に屋根を損壊した塗装工事業者の被告会社は保険金名目で修理費用を取得しようとしたと認め、原告らに対する損害賠償義務を認定した
  15. Vが知人Uから賃借した被保険ベンツを河川近くに停車させ降車した際に本件ベンツが進みだし河川に落下して全損になったとする保険金請求はUとVとが共謀して水没させた故意事故と認定し請求を棄却した
2158号(令和6年5月23日発行)
  1. 47歳男子主張の労災2級高次脳機能障害はMRI検査で頭蓋内に異常は認められない等からも脳外傷が生じたとは認め難いと高次脳機能障害を否認し後遺障害の残存も否認した
  2. 45歳男子の自賠責8級脊柱変形は客観的な事情は見当たらない等と11級7号認定し、10級主張の右肩関節機能障害は高度な可動域制限が認められない等から14級9号右肩痛と認め労働能力喪失20%で後遺障害逸失利益を認定した
  3. 30歳代男子主張の10級10号左肩関節機能障害は可動域制限が右肩に比して2分の1以下でもないことはもちろん4分の3以下でもない等から関節機能障害の残存を否認し自賠責同様14級9号左肩関節痛を認定した
  4. 自賠責同様14級9号右腕しびれ及び頸・肩痛を残し減収が生じていない女子専門学校教員の後遺障害逸失利益を事故前年年収を基礎収入に3年間5%の労働能力喪失により認定した
  5. 女子原告主張の12級13号頸椎椎間板ヘルニアは本件MRI画像において椎間板膨隆が外傷性であることを裏付ける出血や浮腫等の所見は窺われない等から本件事故による頸椎椎間板ヘルニアの発症を否認し2割の素因減額を適用した
  6. 歩道を歩行中に自転車に衝突された40歳代男子求職中主張の10級11号右足関節機能障害は医師において可動域制限が生じているとは考えていなかった等から後遺障害の残存を否認し就労能力は認め難いと休業損害の発生も否認した
  7. 歩道歩行中に後方から走行してきた自転車に衝突されアキレス腱炎等の傷害を負い12級12号左母趾可動域制限等を残したと主張する40歳代女子の治療期間を約2ヶ月半と認定し本件事故による後遺障害の残存を否認した
  8. 原告乗用車で走行中にY乗用車に衝突された第1事故と20日後にZ乗用車に追突された第2事故は時間的近接性があるとはいえない他、第1事故は軽微で第2事故までに頸椎捻挫の症状が固定していた等から共同不法行為を否認した
  9. 片側3車線道路の第3車線を走行中に前方車線変更車を避けようと合図なく第2車線から第3車線に車線変更してきた被告乗用車に衝突された原告乗用車は被告車の車線変更を予見できなかったとはいえないと1割の過失を認定した
  10. 信号のない丁字路交差点の優先道路を走行中に右方の突き当たり路から右折進入してきた被告タクシーに衝突された原告自動二輪車は法定制限速度を時速20`b以上上回る速度にまで加速した不適切な回避方法等から3割の過失を認定した
  11. 駐車中の被保険車両から降車する際に転倒し背中を強打して腰椎椎間板ヘルニアを発症したとする51歳男子の人身傷害保険金等の請求は腰椎椎間板ヘルニアは外傷性ではなく経年性変性によるものと否認し請求を棄却した
  12. 男子原告がベンツを運転中に床マットに落ちた煙草の火種を払おうとして屈んだ際に左右のガードレールに接触した後中央分離帯に衝突したとする車両保険金請求は原告が故意に惹起したものと推認できるとして故意免責を認定した
  13. 66歳女子X所有の母屋及び離れの本件建物が火災による約1億8千万円余の保険金請求はXが灯油をダンボール等にまいて発生させた故意放火と認定してXらの請求を棄却した
2157号(令和6年5月9日発行)
  1. 渋滞停車中に追突された男子X主張の12級13号脳脊髄液漏出症は起立性頭痛等認められず本件事故との因果関係を肯定する医師の意見は採用できない等から発症を否認し本件事故による後遺障害の残存も否認した
  2. 57歳男子原告の左側頭葉皮質下出血は既往症の高血圧により発症したと認め、本件事故による14級9号失語症等の残存を否認し、消滅時効の完成により原告の請求を棄却した
  3. 河川敷で犬の散歩中に被告自転車にリードを接触され右腕を引っ張られて転倒した33歳女子の5級6号右上肢麻痺は右腕神経叢引抜き損傷によるものではなく非器質的要因によるものと認定して3割の素因減額を適用した
  4. 兼業主婦主張の12級13号胸郭出口症候群及び同梨状筋症候群の併合11級後遺障害は本件事故による影響は長くても6ヶ月で消失すると考えられ適切な対応をすれば改善が期待できる等から後遺障害の残存を否認した
  5. 自賠責12級12号左足第1指関節機能障害等併合12級を残す減収のない24歳女子公務員は後遺障害がもたらす経済的不利益を是認する特段の事情があると67歳までの43年間12%の労働能力喪失で後遺障害逸失利益を認定した
  6. 45歳女子の自賠責10級11号左足関節機能障害は可動域の推移は不自然で症状固定時の測定値を信用することはできないと否認し12級13号左足痛等を認定した
  7. 頸椎捻挫及び右肩挫傷等から約5ヶ月間通院したとする45歳男子の接骨院施術費は医師の指示なく通院等から施術の必要性認められず、月12日程度という高頻度の施術から有効性及び相当性も認められないと接骨院施術費を否認した
  8. 歩車道の区別のない道路左側を歩行中に後続の自転車に衝突された51歳男子建築業等の39日間通院した整骨院施術費を否認し休業損害の発生も否認して左側通行の落ち度等から1割の過失を認定した
  9. 駐車場通路を乗用車で進行中にY乗用車に衝突された女子X主張の頸椎捻挫、左上肢捻挫等の傷害はX車に生じた衝撃は大きくなく初診から4ヶ月間受診していない等から本件事故によるXの受傷を否認した
  10. 自転車搭乗中に被告乗用車に接触され転倒しないよう地面に足を着いて踏ん張ったことにより12級13号右膝痛を残したと主張の男子原告に過度の負荷が生じたとは考え難い等から本件事故による受傷を否認した
  11. 抗議中の被告乗用車に急後退された際に右足を轢過され11級9号右足背痛等を残したとする男子原告の右足には骨折等の器質的変化は認められず、原告主張の事故態様は右足の状態と整合しない等から右足の轢過を否認した
  12. 片側3車線道路で第2車線走行車を第1車線から追い越した直後に第2車線に車線変更して走行中に右後方の第3車線から車線変更してきた被告大型貨物車に衝突された原告乗用車に2割の過失を認定した
  13. 停車中に徐行で進行してきた被告貨物車の荷台の貨物がバランスを崩して倒れて損壊され経済的全損となった原告セミトレーラーの休車期間を1年と認め約704万円の休車損害を認定した
  14. 積荷搬出中の原告ワイドロングウイング冷凍車が被告貨物車に衝突された修理期間を約3ヶ月間と認め代車として同仕様の冷凍車を賃借する必要性があったとし日額3万8,000円の賃料で代車費用約355万円を認定した
  15. 約2年前に脳梗塞を発症の69歳男子Aのトラック運送業務中の自損死亡事故による人身傷害保険金等の請求は本件事故がAの脳疾患等の疾病によるとは認められずAの重大な過失によるとも認められないと保険金支払を認容した
2156号(令和6年4月25日発行)
  1. 44歳女子主張の9級15号右足部CRPSは痛覚過敏等が認められず、認定基準の3つの要件のうち2つを満たしていない等から否認し14級9号右母指痛を認定して10年間5%の労働能力喪失で後遺障害逸失利益を認めた
  2. 30歳代男子原告主張の12級右足CRPSは骨委縮、皮膚変化の所見は認められない上、日本版CRPSの判断基準で原告ら主張の項目は客観的な所見に乏しい等からCRPSの発症を否認し14級9号右足関節痛を認定した
  3. いまだ症状固定せず嚥下障害及び脳脊髄液漏出症から9級10号後遺障害を残したとする女子X主張の後遺障害の残存を否認して事故後約6ヶ月で症状固定と認めXの損害は既払金で填補済みと認定した
  4. 34歳男子の労災8級認定を受ける脊柱運動障害は頸部に可動域制限が実際に存在したことについては疑問が残ると否認し、事故当初から頸部痛が一貫して存在していたと14級頸部痛を認定した
  5. 丁字路交差点を歩行横断中に右折乗用車に衝突された65歳男子主張の12級7号右股関節機能障害、14級9号左母指及び示指感覚異常等の併合11級後遺障害は本件事故によるものとは認められないと後遺障害の残存を否認した
  6. 横断歩道を歩行横断中に貨物車に衝突された57歳男子主張の12級腰部痛及び両膝可動域制限、9級右眼視力低下等の併合8級後遺障害は本件事故による受傷以前の既往症による症状の範囲にとどまるとして後遺障害の残存を否認した
  7. 多重衝突により訴外乗用車に右後部側面を衝突された乗用車の右後部座席に同乗中の71歳女子主張の頸部・左肩痛等は約44万円の修理費用は少額とはいえず、障害が残存することが医学的に説明可能である等から14級後遺障害を認定した
  8. 乗用車に同乗して信号待ち停車中に被告乗用車に追突された頸・腰椎椎間板ヘルニア等の既往を有する女子原告主張の頸部痛及び背部・腰痛を自賠責同様14級9号認定し、素因減額を否認した
  9. 夜間、駐車禁止区域にスロープを下げて駐車中にY乗用車に衝突されたX事業用貨物車は道路に接地させたリアゲート等で非常点滅灯が隠れていたわけではなく非常点滅灯の不灯火と同視することはできないと2割の過失を認定した
  10. 信号交差点の片側4車線道路を赤信号で横断したX自転車と黄色信号で進入してきたY貨物車の衝突でY車は黄色信号になった時点で停止できない状況であったと認められないと4割の過失を認定した
  11. 路外通路から丁字路交差点に進入したX自転車と右方直線路を走行してきたY乗用車の衝突でX自転車は日傘を差して片手運転しブレーキワイヤーが切れブレーキの効かないまま道路に進入したと4割の過失を認定した
  12. 黄色信号でも例外的に交差点への進入が許される青信号進入と同視できる直進X自動二輪車と対向の右折Y原付自転車の衝突はY車の2段階右折義務違反からX車の過失を5%減算して15%と認定した
  13. 夜間、被告市が管理する丁字路交差点を右折中に路面から上方にせり出していた排水桝上に設置された本件鉄板と原告車の左下部が衝突した本件事故の発生を認め被告市の管理瑕疵を認定した
2155号(令和6年4月11日発行)
  1. 右下肢切断から自賠責5級5号を残す9歳女子の後遺障害逸失利益をセンサス男女計全年齢平均を基礎収入に算定し、中学卒業までの水泳用義足の必要性を認め、母親の固有慰謝料を150万円と認定した
  2. 自賠責10級左足関節機能障害及び同9級左拇趾〜第5趾機能障害の併合8級後遺障害を残す59歳男子の可動域測定は恣意的に可動域を限定的になしえる余地があることから検査結果には重大な疑義があると12級左足痛を認定した
  3. 停車中に追突された30歳代男子主張のTFCC損傷による12級13号左上肢関節機能障害は左手関節に傷害が生じる程度の外力が加わったとは認め難く、本件事故以外の要因の可能性等から本件事故による後遺障害の残存を否認した
  4. 車両重量約10分の1のY車両に追突され自賠責14級9号後頸部痛等を残す54歳男子Xに加わった衝撃は軽微で経年性の頸椎変性の影響は否定できないと本件事故による治療期間を事故後約4ヶ月と認定し後遺障害の残存を否認した
  5. 有職主婦主張の14級9号右下腿内側及び左肩痛等は将来において回復が困難と見込まれるとはいい難い等から後遺障害の残存を否認し、接骨院施術費の6割につき本件事故と因果関係のある損害と認定した
  6. 青信号交差点を自転車で直進中に赤信号進入自転車に衝突され約6ヶ月半通院し14級腰部痛等を残したと主張する68歳男子生活保護受給者の本件事故と因果関係のある治療期間を1ヶ月と認定し後遺障害及び休業損害の発生を否認した
  7. 16歳女子主張の事故後の下顎骨左側偏位による咬合異常等は事故当日及び翌日に受診した病院でも頭部又は顔面の受傷を訴えていない等から本件事故と歯科治療との因果関係を否認した
  8. 停車中に被告中型貨物車に追突され頸椎捻挫等の傷害を負い6日後に死亡した51歳男子Aは本件事故によって大動脈の創が生じ心タンポナーデを引き起こして死亡したと本件事故との因果関係を認め2割の素因減額を適用した
  9. 信号のない丁字路交差点での一時停止路から右折進入原告乗用車と右方からの直進飲酒及び時速46`b超過の被告乗用車の衝突で原告車の過失を4割と認定した
  10. 第2車線を走行中に第1車線から進路変更してきたY乗用車にドアミラー同士を接触されたとするX乗用車はY乗用車との接触を回避して進行することは可能だったとXの一方的過失を認定し本件接触によるYの責任を否認した
  11. 信号交差点で原告乗用車にY運転とする被告乗用車が衝突した本件事故はYと同乗者Zが意を通じてZの飲酒運転の事実を隠すためにYが被告車を運転していたことにした等からYが被告車の運転者であったことを否認した
  12. 自賠責保険が失効している被告乗用車と自動車共済契約を締結している乙共済の責任範囲となる損害賠償額は政府保障事業の填補額50万8,248円と法定限度額の120万円との差額を原告の損害元本額から更に控除した2万8,915円と認定した
  13. 保険契約者のB会社は初回保険料を払込期日の属する月の翌々月末日までに支払っていないことから乙損保は初回保険料領収前に発生した本件事故の保険金支払責任を負わないとし、乙損保の不払特約主張による信義則違反も否認した
  14. 40歳代男子原告がジャガーを運転中に川に転落して全損になったとする車両保険金等の請求は事故の発生に関する主張は不自然かつ不合理な点がある上、多数の保険金請求歴や自動車付保に関する不自然さ等からも原告の故意事故を推認し請求を棄却した
2154号(令和6年3月28日発行)
  1. 自賠責1級1号両下肢麻痺等を残す62歳男子の将来介護費を平均余命の22年間につき職業介護費については年額411万6,000円、近親者介護費は妻67歳までの9年間は年額239万2,000円、以降13年間は年額108万円で認定した
  2. 56歳男子主張の9級めまいは本件事故によって出現したと認めることはできず、14級9号頸部痛等は事故3ヶ月後にはほとんど痛みがない程度に改善していた等から本件事故による後遺障害の残存を否認した
  3. 52歳男子主張の頸椎椎間板ヘルニアの発症による9級10号歩行不安定感、両手と両手指しびれ感等は明らかな骨傷は認められず、事故から2週間以上経過後に上肢のしびれの訴え等から本件事故による後遺障害の残存を否認した
  4. 頸椎捻挫及び右肩関節挫傷等から労災14級9号認定を受ける専業主婦の右肩部の受傷を否認し後遺障害の残存も否認して通院期間を事故後約1ヶ月半と認定した
  5. 狭路で離合のため停止中の原告乗用車と対向被告乗用車の接触の衝撃はドライブレコーダーの映像が乱れていない等から軽微とし、原告主張のむち打ち損傷が悪化しているのは不自然等から本件事故による受傷を否認した
  6. 第5車線まである信号交差点の直進専用車線の第3車線から左折中のX乗用車が第2車線から左折してきたYタクシーに衝突された本件事故は専らXの過失によって生じたとしてY車の過失を否認した
  7. 片側5車線道路の第5車線を走行中に左方の路外店舗から4車線を横切って進入してきた被告乗用車に衝突された原告自動二輪車には著しい前方不注視があったと15%の過失を認定した
  8. 夜間に信号交差点を最高速度の2.4倍以上の時速120`b以上で進入してくる直進X自動二輪車を予見し運転操作をすべき注意義務があったというのは困難であると対向の右折Y乗用車の過失を否認した
  9. 丁字路交差点を直進中に徐行不十分で右折してきた対向被告乗用車に衝突された速度超過の原告自動二輪車は被告車が右折する可能性があることを想定しより注意深く直進すべきであったと15%の過失を認定した
  10. 交差点手前で先行の14歳被告自転車が合図なく右方に進路変更してきて接触された原告自動二輪車は被告自転車の進路変更に危険を感じて急ブレーキをかける距離で走行していたと6割の過失を認定した
  11. 50歳代男子Xが低速で走行して停止したY乗用車のボンネットにヘッドスライディングのような形で乗り上げ転落して受傷はYに本件事故を避けるのは不可能であったとYの過失を否認してXの故意又は重大な過失を認定した
  12. 乙損保に車両保険金請求する被保険者Xが本件車両の所有権を取得したと認めることはできず本件保険契約は被保険利益を欠くものであると無効とし、乙損保の被保険利益の不存在を主張することが信義則に反するとまではいえないと保険金請求を棄却した
  13. 空き巣により自宅マンションから現金430万円及びブランド品等31点が盗難被害に遭ったとする保険金請求はXらが共謀して作出した狂言である可能性が非常に高い等から盗難の外形的事実が立証されたとはいえないと請求を棄却した
  14. 降雪によりX会社所有建物の折板屋根が損傷し建物内に漏水したとする保険金請求は折板屋根の経年劣化した部分等から建物内部に雪解け水が浸水して発生したことから本件事故は約款にいう「雪災」に当たらないと請求を棄却した
2153号(令和6年3月14日発行)
  1. 30歳男子解体業の自賠責3級3号高次脳機能障害は一定程度の意思疎通能力や社会行動能力等を有している他、仕事を再開して事故前と遜色のない収入を得ている等から終身労務に服することができないとは認められないと7級4号を認定した
  2. 軽自動車の後部座席に同乗して信号待ち停止中にY乗用車に追突された52歳男子X主張の頸・胸部痛等は既往症の後縦靱帯骨化症及び黄色靱帯骨化症の症状が出現し12級13号後遺障害が残存したと認め5割の素因減額を適用した
  3. 約5ヶ月前の前件事故で受傷した女子原告主張の本件事故による右肩関節痛を14級9号と認め本件事故による損害の寄与度を85%と認定した
  4. 軽自動車で停止中にY貨物車の脱落した左前タイヤに助手席側ドアを衝突され左膝・腰椎捻挫等を負ったとする48歳女子Xの供述は不自然等から採用できず接触したタイヤの運動エネルギーによる衝撃は小さい等からXの受傷を否認した
  5. 信号待ち停車中に追突された43歳男子X主張の頸椎捻挫及び腰椎捻挫はX車に生じた衝撃は強いものとは考え難く、直ちにXが傷害を負う程度のものとは認め難い上、従前の既往歴や事故歴等からも本件事故による受傷を否認した
  6. Yタクシーに乗車して信号待ち停止から発進した直後の急制動で頸椎捻挫、右5指捻挫等の傷害を負ったと主張する42歳男子Xの供述等は不自然・不合理で信用できないと本件事故による受傷を否認した
  7. 乗用車で第2車線を走行中に第1車線から車線変更してきた大型貨物車に接触された36歳男子原告主張の14級9号頸椎捻挫及び右肩関節捻挫等は原告車の損傷は軽微な擦過傷のみで事故20日後の受診から本件事故による受傷を否認した
  8. 駐車場内で後退乗用車に衝突された88歳女子歩行者が罹患していた自賠責9級10号認知症が通常の経過よりも急速に進行・悪化した事実は認められないと本件事故による自賠責5級2号加重障害を否認した
  9. 外傷性頸部症候群等の傷害を負い接骨院での週5回程度で約4ヶ月間の実通院日数97日にわたる施術が必要とは認められないと初診から1週間の範囲の4日間につき本件事故との必要性及び相当性が認められる施術と認定した
  10. Y乗用車を酒気帯び運転で高速道路を逆走のYが意図的な運転操作によって第1事故及び第2事故を発生させたと推認できないとYの故意を否認し、事故後停止中のY車に衝突したX乗用車に1割の過失を認定した
  11. 中央線のない道路のカーブ地点で転倒し滑走して停止中の対向被告乗用車に衝突した原告原付自転車は漫然と道路中央部よりも更に右側を制限速度以上で進行した注意義務違反があるとして原告車の一方的過失を認定した
  12. 歩車道の区別のある道路で車道左端を歩行中の原告に追突した後続Y乗用車は原告に気付かずに35.5b車道左端を進行したことから脇見運転等に匹敵する著しい前方不注視及び著しいハンドル操作の不適切を認め9割の過失を認定した
  13. 深夜車道中央付近を飲酒歩行中に前方不注視の速度超過タクシーに衝突され死亡した28歳男子の過失を25%と認定した
  14. 誤ってエントランスにあった消火器を倒し噴霧した消火剤が駐車中のX車両に降りかかりタオルで拭き取った際に線傷が多数生じたとして車両保険金を支払ったとする甲損保の求償金請求は線傷等が本件事故により生じたとは認められないと請求を棄却した
  15. Y美容室で従業員Zによるヘッドスパの施術により12級頸部痛等を残したとする52歳主婦Xは複数の医療機関から頸部に様々な加齢性変化が指摘された等からもZの施術による受傷を否認しYの損害賠償責任も否認した
2152号(令和6年2月22日発行)
  1. 40歳代男子原告の両上肢軽度麻痺から労災認定同様5級2号後遺障害の主張は原告が事故約2ヶ月経過後に訴えた各症状は専ら既存の頸椎疾患に由来すると本件事故と後遺障害残存との因果関係を否認した
  2. 33歳男子嘱託社員主張の自賠責非該当も労災認定同様12級右手関節機能障害及び7級右手指用廃の併合6級後遺障害を労災8級相当の右手関節及び手指関節機能障害と認め45%の労働能力喪失により後遺障害逸失利益を認定した
  3. 自賠責10級7号左母指可動域制限等、同12級6号左肩関節機能障害、同12級12号右母趾可動域制限等から併合8級後遺障害を残す減収の生じていない39歳男子トラック運転手の逸失利益を労働能力喪失30%で認定した
  4. 右側頭骨陥没骨折等から自賠責13級2号複視及び同14級9号頭痛の併合13級後遺障害を残す10歳男子の本件事故による複視の残存を否認しセンサス男性全年齢平均を基礎収入に18歳から3年間5%の労働能力喪失で逸失利益を認定した
  5. 自賠責10級11号認定の左足関節機能障害を残す27歳男子は草野球の試合に複数回出場し年30回もゴルフのラウンドをしている等から抜釘後も階段の降段に必要な可動域角度はあったと左足関節機能障害の残存を否認した
  6. 5級2号脊髄症状主張の37歳男子の本件事故と頸椎椎間板ヘルニアの発症又は増悪との因果関係を認め11級7号脊柱変形を認定し既に起こっていた椎間板の膨隆が大きく寄与したと5割の素因減額を適用した
  7. 53歳男子自営業主張の12級13号左肩関節痛等を否認し自賠責同様併合13級左小指機能障害等を認め事故前年度と前々年度の平均額約66万円を基礎収入に平均余命の半分の14年間9%の労働能力喪失で後遺障害逸失利益を認定した
  8. 左膝蓋骨骨折の傷害を負った50歳代男子主張の12級13号左膝関節痛等は骨癒合が得られており他覚的所見は認められないものの左膝の疼痛は本件事故後一貫して続いていたと14級9号後遺障害を認定した
  9. 信号交差点で右方路から時速16`bで進入してきたY電動アシスト自転車に衝突されたX自転車の衝撃はY車に重量があることから軽微ではなく、転倒を避ける動作等によるXの身体への外力は大きかったとしてXの両手関節・頸椎捻挫の受傷を認めた
  10. 男子原告主張の14級9号右肩痛及び右環指痛は医療機関等において異常所見は得られず将来において回復困難な障害とは認められない等から後遺障害の残存を否認した
  11. 駐車場内で駐車中に後退乗用車に逆突された男子主張の腰部打撲、左股関節唇損傷等は双方車両に特段損傷みられず、股関節のストレッチは入念に行っており左股関節が過度に開排位したとも考え難い等から本件事故による受傷を否認した
  12. 狭路内の3.3b間を徐行してきた被告乗用車の左ドアミラーと原告佇立者の背面との接触は非常に軽微とし原告の肋骨骨折は既に骨癒合が完成していて新鮮骨折とは認められない等から原告の受傷を否認した
  13. 信号交差点での横断歩道を横断中の原告3人乗り自転車と右方から左折してきた被告タクシーとの衝突で原告らの乗車方法が本件事故や損害の発生・拡大に具体的に寄与したこととは窺われないと5%の過失を認定した
  14. 交差点内の第1車線を走行中に第2車線から左合図も出さずに車線変更してきた被告貨物車に接触された原告乗用車には被告車との接触を回避する措置を講じることは困難であったと被告車の一方的過失を認定した
2151号(令和6年2月8日発行)
  1. 36歳男子原告主張の3級高次脳機能障害及びPTSDの発症はたとえ原告を直接診断した医師の判断等によるものであったとしても直ちに採用し難いと否認し自賠責同様14級9号非器質性精神障害を認定した
  2. 9級10号歩行困難等を残す54歳女子は事故前の腰痛症と事故前に症状が顕在化していなかった黄色靱帯骨化、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄とが合わさって後遺症残存に大きな影響を及ぼしたと5割の素因減額を適用した
  3. 右肩甲骨骨折等から自賠責12級6号認定の右肩関節機能障害を残す49歳男子の後遺障害診断書に記載された測定値の信用性は高くない等から右肩関節機能障害の残存を否認した
  4. 自賠責12級14号前額部瘢痕を残す22歳女子個人事業主は売上額は事故前と同程度に戻っていて瘢痕により労働能力が喪失したとは認められないと後遺障害逸失利益を否認して後遺障害慰謝料390万円を認定した
  5. ジョギング中に右母趾を自転車の前輪に衝突された40歳代男子歯科医師の12級12号右母趾関節機能障害を14級9号右母趾痛等と認め、事故前年報酬の8割を基礎収入に10年間5%の労働能力喪失で後遺障害逸失利益を認定した
  6. 減収のない47歳男子公務員主張の12級7号右足関節機能障害を否認し自賠責同様併合14級頸部及び右下腿痛等を認め事故時年収を基礎収入に7年間5%の労働能力喪失により後遺障害逸失利益を認定した
  7. 男子X主張の左眼硝子体出血は事故直後に受診なく7日後受診した眼科では症状・診断名も事故前から罹患していたものと同様で頸椎及び腰椎捻挫については事故から24日後に受診等からも本件事故による各受傷を否認した
  8. 第2車線に停止中の原告乗用車と第1車線から転回しきれず後退してきた被告乗用車の衝突で両車両の損傷は擦過痕等にとどまり外傷性の異常所見が認められず、前件事故で同部位を受傷していた等から原告らの本件事故による受傷を否認した
  9. 片側2車線道路の第2車線をX乗用車で走行中に右方から追い越そうとしたY貨物車に接触されたとするXの供述は信用できず本件事故はY車の左後方から合図なく第2車線に車線変更したX車の一方的過失によるとY車の過失を否認した
  10. 丁字路交差点の第1車線から左折中にリアオーバーハングの右側先端部が右隣りの第2車線にはみ出して第2車線を走行してきたY準中型貨物車に衝突されたX大型特殊車の過失を8割と認定した
  11. 同幅員道路が合流する交差点で減速せずに進入し左方路から時速60`bで進入した原告貨物車を対向車線を走行して追い越しざまに接触してきた被告乗用車に7割の過失を認定した
  12. 雨の片側1車線道路の外側線付近を走行中に右後方から追い越してきた被告貨物車が側方50abまで接近したことからグレーチング等にハンドルをとられて転倒し轢過された16歳女子A自転車の過失を7割と認定した
  13. 全塗装修理を主張する外国製クラシックカーの塗装範囲を損傷がない部位まで塗装を行うことは必要かつ相当の範囲の修理とは認められないと部分塗装での修理を認定し、評価損を修理費用の5割の約219万円と認定した
  14. 信号交差点を原告乗用車で右折中に中央分離帯に衝突の全損自損事故による車両保険金請求は事故態様が非常に不自然で過去10回にわたる保険金受領歴から保険金請求の経済的動機があったと故意事故を推認し請求を棄却した
  15. 賃貸マンションの一室に置いていた複数の腕時計が盗難に遭ったとする47歳男子Xの保険金請求は本件一室は高級腕時計等を保管する場所としては不自然な上、Xに本件腕時計等を保有するほどの資力がなかった等から盗難の外形的事実は認められないと請求を棄却した
2150号(令和6年1月25日発行)
  1. 自賠責14級9号認定の頸部痛及び両手指の痺れ等を残す49歳女子主張の12級脳脊髄液漏出症、肩関節機能障害及びCRPSの受傷を否認し、本件事故による後遺障害の残存も否認して、事故後約6ヶ月で症状固定と認定した
  2. 女子X主張の7級右上肢CRPSはXの行動を撮影したビデオの画像等からXが右手で水道の蛇口を開け、右手で重さのあるごみ袋を持ち収集場まで運んでいる等から日常生活に支障は認められないとCRPSの発症を否認した
  3. 37歳男子の自賠責9級9号右耳難聴は標準純音聴力検査結果が事故直後よりも1ヶ月後に悪化しているのは不自然である他、ABR検査が1回のみで他覚的聴力検査による裏付けがない等から本件事故による右耳難聴を否認した
  4. 8級脊柱変形及び12級7号右股関節機能障害の併合7級を残し事故後減収のない49歳男子会社員の後遺障害逸失利益を一般的な7級の56%の労働能力が失われたとまでは認め難いと17年間35%の労働能力喪失で認定した
  5. 32歳男子主張の14級9号項頸部痛等は同一部位を受傷した前件事故から約4年しか経過していない等から本件事故により前件事故とは別の後遺障害が生じたとは認められないと本件事故による後遺障害の残存を否認した
  6. 工事現場で停車中の原告会社コンクリートポンプ車に後退してきた被告会社コンクリートミキサー車が衝突した本件事故と原告車の動作不良との因果関係を認め修理費約920万円を認定した
  7. 人的損害につき和解契約@を締結したXの錯誤による取消の主張は承諾書に自ら署名押印等が認められ意思表示に錯誤はないと否認し、物的損害についての和解契約Aの被告側損保担当者の説明義務違反による解除の主張も否認した
  8. 40歳男子原告が自転車で走行中に被告アパートの前の道路端に置かれたコンクリートブロックに接触して転倒し受傷した事故で被告が本件ブロックの土地工作物責任上の占有者に当たるとは認められないと原告の請求を棄却した
  9. 未明の山道をオークションで購入したレクサスで走行中の原告が目の前を横切った障害物を避けて河川に転落し全損になったとする車両共済金請求は原告の故意又は重大な過失により生じたとはいえないと共済金請求を認容した
  10. X所有の被保険乗用車を知人Vが運転中に海に転落して全損になったとする保険金請求はXには本件事故を故意に起こす動機があり、約2年間に極めて高頻度の保険金請求からもXの故意事故を推認し乙損保の調査料等の請求を認容した
  11. 64歳男子Aが海外旅行先で遊泳中に溺死したことによる海外旅行傷害保険金請求はAは本件事故の前に急性心筋梗塞から意識障害を来し海水を吸引して溺死したと認め本件疾病免責条項を適用し請求を棄却した
  12. 両側肥厚性鼻炎の治療として内視鏡下鼻腔手術を受けたことから団体医療保険契約に基づき手術保険金20万円を請求する女子Xの本件手術は手術保険金の対象である「頭蓋骨観血手術」には該当しないと請求を棄却した
  13. X会社所有の本件建物を賃貸しているV会社の店舗から出火し本件建物の他、設備什器一式等の動産が焼損したとする約2億6千万円余の保険金請求はX会社取締役でV会社代表取締役であるUの意を受けた店長Tの放火と認め請求を棄却した
2149号(令和6年1月11日発行)
  1. 46歳男子事務職の高次脳機能障害を軽易な労務にしか服することができないと7級4号を認め12級嗅覚脱失は労働能力に影響するとは認め難いとして67歳まで56%の労働能力喪失により後遺障害逸失利益を認定した
  2. 40歳代男子の自賠責9級10号認定の高次脳機能障害は重度の意識障害及び脳挫傷は認められず事故後の人格変化等も認められないと高次脳機能障害の発症を否認した
  3. 42歳女子主張の9級脳脊髄液漏出症は画像所見が厚労省研究班基準において確定又は確実と診断されるものではなく、起立性頭痛が認められない他、2回のブラッドパッチも有効とは認められないと脳脊髄液漏出症の発症を否認した
  4. 自賠責併合14級頸部痛及び腰背部痛を残す事故後増収している49歳男子会社員の後遺障害逸失利益を業務への支障の程度は限定的等から実収入を基礎収入に3年間3%の労働能力喪失で認定した
  5. 38歳男子主張の5級2号頸髄中心性損傷は臨床的特徴からも認めることはできないと否認し自賠責同様14級頸部痛等の残存を認定した
  6. 後縦靱帯骨化症を伴う発育性脊柱管狭窄を有する51歳男子は事故後に初めて上肢のしびれや痛み等の神経症状を訴えるようになった等から本件事故と中心性頸髄損傷との因果関係を認め、2割の素因減額を認定した
  7. 47歳男子主張の12級6号肩関節機能障害は各種の画像所見から両肩棘上筋腱の部分断裂は認められない上、本件事故以前から存在した可能性が排斥できないと併合11級後遺障害を否認し自賠責同様14級9号両肩痛等を認定した
  8. 路側帯付近を歩行中の40歳代男子がY乗用車に右膝等を衝突された治療期間を約1ヶ月、その5ヶ月後に駐車場内で乗用車運転中に後退W乗用車に逆突された治療期間を約1ヶ月半と認め、本件事故による後遺障害の残存を否認した
  9. 駅前ロータリー先の信号のない丁字路交差点を横断歩行中のXと2歳児Aに右折してきて衝突したY乗用車のXらに全く気付かず進行した過失は相当に大きいとXらの過失を5%と認め、Aの死亡慰謝料を固有慰謝料を含め2,650万円と認定した
  10. 左方にある路外駐車場に後退入庫中後続被告乗用車に衝突された原告乗用車は駐車区画内への駐車をほぼ終わらせていた状態からその完了を待たずに本件事故を惹起した被告の責任は極めて大きいと9割の過失を認定した
  11. B会社所有のレンタカーを運転中に被告乗用車に衝突された原告がノンオペレーションチャージ(NOC)を支払ったがB会社に休車損害が発生したとは認められないと本件事故とNOCの支払との因果関係を否認した
  12. 頸髄損傷から労災2級認定の中枢神経障害を残したとする37歳男子の傷害保険金請求はインスタに投稿した動画等から四肢麻痺等の中枢神経障害による後遺障害の残存は認められないと請求を棄却した
  13. 道路歩行横断中にY貨物車に衝突され自賠責1級1号後遺障害を残す25歳男子原告の人身傷害共済金請求は本件事故が原告の故意によって発生したとはいえず重過失があったともいえないと故意免責条項の適用を否認して共済金の支払を認容した
  14. 本件地震により生じたとする原告不動産会社所有建物の基礎部分クラック等が一部損に該当するとの地震保険金請求は本件基礎クラックは経年劣化によって本件地震以前に存在した可能性を否定することはできないと請求を棄却した

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